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<トキシャク> <季節: 4月下旬> 5月の中旬以降旬を迎える芍薬の前に、ほんの短い期間出回る一重の芍薬があります。 蕾の時は薄いピンク色で、ひらくとそのピンクも薄くなり、白い花のように見えます。咲いた姿がとりが精一杯羽を広げたような優美で気高さを感じる花です。 トキ芍が見かけられるのはほんの1〜2週間ですぐ幻のように消えてしまうので、姿形とその儚げな存在が、より一層いとおしく感じられるのかもしれません。 トキ芍を見ると必ず思い出してしまうのが、子供の頃に読んだ「天女の羽衣伝説」です。 天から舞い降りてきた白鳥の姉妹たちの群れが湖に水浴びに降りると、次から次へと天女の姿に変わります。それぞれ木の枝に透き通った羽衣をかけて、水浴びを楽しむのですが、そこに通りかかった村の男がその美しさに魅せられ思わず木の枝にかけられてあった羽衣を盗んでしまいます。 気付いた天女達は次々と羽衣を羽おり、白鳥になって飛び立っていきますが、羽衣をとられてしまった一番末っ子の天女は空へ帰ることもできず、その村男のお嫁さんになるのでした。。そんなお話です。 花の開き方が鳥の羽をひろげたようでもあり、その花びらは天女の羽衣はこんな感じだったのかなぁと想像をかきたたせる透明感があるのです。 トキ芍がいつの間にかなくなると、そろそろ芍薬が本番の季節となりそうです。 |